木曽の匠と出会う
Vol.02 桶数
桶屋はいい仕事。
300年以上も生きてきた天然木を使わせてもらっているんだから…
未完成の桶をながめながら、桶職人の「誇り」と木への「感謝」が桶数のご主人のひとことから感じられた。
木だって性質がある。
それぞれの性質を見て使ってやると、ずっと長く使えるものになる。
間違って使うと木が怒る。
木としっかり向き合い、桶の用途によってもちろん使い分ける。
木を「人と同じように扱い」木への「いたわり」も伝わってくる。
適材適所という言葉があるが、木もこれに当てはまるのではないかと聞いて思う。
5百年の伝統がいきづく桶数の桶。
日本の貴重な財産ともいえる伝統の技。
桶も人間と同様に扱うことが大切。
木を生かすのも殺すのも人間しだい。
桶数の12代目、匠 伊藤今朝雄さんは言う。
長野県木曽上松生まれ。
昔ながらの小物・大桶・浴槽に至るまで桶作りのすべてを、父である先代から引き継ぐ。
桶職人は、江戸職人と京職人といるが先代から江戸職人の技をしっかり受け継ぐ。
そして、先代父から引き継いだ江戸職人の技を、次代息子へ教える師匠でもある。
これまた、息子も優れた職人であり、京職人の技を若くしてすでに得とくし、家具なのどのミニチュア作品製作を得意とし、息子の手から作りだされるワインクーラーも、業界で一目置かれている。
現在は江戸職人の技を身に付けるため12代目の技を継承中である。
京職人と江戸職人の両刀使いができる、将来が楽しみな匠になりつつある。
12代目 伊藤は、平成17年長野県知事より「卓越技能賞」受賞。
大桶を作れる職人は全国5~6人しかいないと言われ、3メートルの丸風呂桶を作ることが出来る職人は希少だ。
道具は職人の命。
「桶は底から」と言って底をはめ込むまで、職人は気が抜けません。
絶対に水漏れがないよう、150種もの道具を使いこなします。
「人の目はごまかせても、作った本人は、自分の腕だけは絶対ごまかせない」
12代目 伊藤は今日も木の良し悪しをみて、木を生かしていた。
株式会社桶数
長野県木曽郡上松町大字小川2314
TEL: 0264-52-2204 FAX: 0264-52-2297