伝統工芸品 蘭桧笠
Vol.01 笠の家
働き者のお母さん
訪ねて行った蘭桧笠を作っている「笠の家」
「いっぺん、かぶってみんさい!」と 一度使ってみなさいと、声かけてくれたのは、笠を作っているお母さん達。
いつもは、ご自宅で作ることが多いとか。
働き者のお母さん達は農作業と家事の合間に作る。
今日は久しぶりに珍しくみんなそろって作業しているとのこと。
笠としっかり向き合い、指先に力を入れて器用に笠が組みあがっていく様は飽きることなく見ていられる。
おかあさん達の手は、無駄なく忙しく動く。
ここにいるお母さんたちは、こどものころから作りつづけている笠なんだとか。
しかし、伝統工芸品と認められる作品作りが出来るお母さんは地元でも多くはない。
笠の家にいるお母さん達は、江戸時代から300年以上続く蘭桧笠作りの技を守る、現代のお母さん達。
笠づくり名人の精鋭集団だ。
伝統工芸品の蘭桧笠はお母さんたちの手から生まれ、仕事に趣味に旅のアイテムにと使われ、笠を手にした人達の期待を裏切る事はない。
「いっぺん、つかってみんさい!」
「いいものだからたくさんの人に知ってもらって使ってほしいのよ。」と言うから気持ちのこもったお母さんの言葉でした。
長野県知事指定 伝統工芸品 蘭桧笠
指定年月日:昭和57年10月21日
製造地域 :南木曽町
寛永2年(1662年)に飛騨から技法が伝えられたと言われ、耕地の少ない南木曽町の蘭地区ではまたたく間に主要産業となり、その当時で年数十万枚、明治時代の最盛期には百万枚近くの生産量を誇りました。
地元の木曽桧を短冊状に裁断した「ひで」を編組みする手編加工の技術により、雨傘、日よけ笠が作られています。
戦後は生活様式が変化して需要は減りましたが、現在も伝統技法による手作りの良さが見直され、妻籠宿、馬籠宿等の観光客や御嶽山の登山客を中心に、実用笠や装飾品として人気を集めています。
蘭(あららぎ)桧笠生産協同組合
長野県木曽郡南木曽町吾妻3900
笠の家:電話0264-58-2727